トップ > 埼玉県スポーツ協会とは > スポーツ科学委員会 > サプリメントの付き合い方
サプリメントの付き合い方

サプリメントとはサプリメントとは“supplement”(補足、追加)に由来する言葉です。
栄養補助食品や健康補助食品、健康食品などといわれている食品の総称のことで、栄養成分を補給する食品、又は特別の保健の用途を持つ食品を指します。あくまでも、偏った栄養バランスを整えることを目的としています。
錠剤やカプセル、スポーツドリンク、ゼリー食品など様々な形態があります。 

サプリメントにもいろいろあって…

サプリメントとには様々なものがありますが、実際はそのほとんどが栄養機能食品※4やいわゆる健康食品※5になります。また、このところ話題になっているエルゴジェニックエイド※6とは特に身体運動機能や競技能力を高める目的として開発されたものを指します。
まずここでは、栄養機能食品や特定保健用食品を定めた厚生労働省の保健機能食品制度を紹介します。  

【保健機能食品制度-保健機能食品の分類】

保健機能食品制度とは、従来、多種多様に販売されていた「いわゆる健康食品」のうち、一定の条件を満たした食品を「保健機能食品」と称することを認めたものです。国への許可などの必要性や食品の目的、機能の違いによって「特定保健用食品」と「栄養機能食品」の2つに分類されています。保健機能食品

【特定保健用食品】

食品には、生命維持のための一次機能(栄養)、食事を楽しむという二次機能(味覚)、健康を維持する三次機能(体調調節)があります。
特定保健用食品は、健康を維持する三次機能(体調調節)に注目したもので、様々な試験によって、健康の維持増進に役立つことが科学的に証明されたものをいいます。
「保健の用途」を表示できる食品で、厚生労働大臣による個別審査を受けた食品です。  

【栄養機能食品】※4

特定の栄養素を一定量含む食品を指し、含有量の基準を満たしていれば、「栄養機能食品」と称することができます。12種類のビタミンと2種類のミネラルについて規定されています。 

その他のサプリメント

その他、最近よく見かけるサプリメントで保健機能食品制度では規定されていないサプリメントに次のようなものがあります。  

【いわゆる健康食品】※5

一般食品の中の食品で、製造者または販売業者などが独自の判断で、「健康食品」などと称して販売している食品を指します。「保健機能食品」と「一般食品」の違いは、「栄養成分機能表示」が可能かどうかになります。 

【エルゴジェニックエイド】※6

サプリメントのうちでも特に、勝つこと、競技力を高めることを目的として開発されたものにエルゴジェニックエイドがあります。身体運動機能を高める補助剤であり、一般に栄養補助食品を中心としたものです。摂取することにより、身体機能あるいは競技能力を高める効果をうたった食品または関連経口摂取の総称になります。
主な成分は、効率的なエネルギー補給や筋肉作り、精神的賦活作用による集中力の増強などの心理的効果、鎮静作用による急速な疲労回復の促進といったことを目的とするものが多くみられます。食事から摂取が可能な成分ですが、有効量とされている量を得るためには、サプリメントの利用が奨められています。
十分な栄養状態にあるものに、さらにある成分を過剰に摂取した場合の効果についての適切な評価がなされているとは言い難く、科学的根拠が不明瞭で、その有効性が未確認、安全性、特に長期間使用による副作用の出現の有無が不明といった問題も多く残されています。 

サプリメント使用の利点

基本的にはバランスのとれた食事を適切な量を食べていれば栄養素は食事から確保できます。しかし、常にバランスのとれた食事を十分な量、食べることができるとはかぎりません。栄養必要量の増加に対応しきれない場合や、疲れなどで食欲がなく食事量が減ってしまった場合、怪我などで食物をうまく噛むことができない場合、授業と練習時間との兼ね合いで食事時間の確保が難しい場合、合宿や遠征先などで適切な食事を摂ることができない場合など、上手にサプリメントを利用することで、不足しがちな栄養を補給することができます。  

サプリメント使用の問題点

☆過剰摂取による危険性

ある成分を過剰に摂取した場合、過剰障害を引き起こす場合があります。特に、ビタミンAなどの脂溶性ビタミンやミネラルの過剰摂取は注意が必要です。例えば、天然成分と合成成分の機能が必ずしも同一とは限らないことや、単一成分の過剰障害、複数の成分間の適正比率の乱れなどの問題が生じてきます。

☆サプリメントに安易に頼ってしまうことの危険性

サプリメントは食事に含まれているすべての成分をバランスよく含んでいるわけではありません。サプリメントを摂っているからと言って、食事をおろそかにしてしまうことはとても危険です。あくまでも食事が偏ってしまった場合の“補助”と考えてください。

サプリメントの上手な利用の仕方

☆栄養状況の把握

まず、食生活を見直しましょう。サプリメントをとる際に、どの栄養素が足りないのか明らかにし、自分に必要なものは何かを把握することが大切です。
例えば、貧血の場合には鉄の補給が必要ですが、鉄の栄養状態に特に問題がないのに、むやみに鉄剤をとることは害をもたらす可能性が高くなります。十分な栄養状態にあるのであれば、サプリメントを摂取する必要はありません。

☆タイミング

サプリメントも食品です。摂取のタイミングは基本的に食事と同じように考えてください。

☆適切な量過剰障害を予防するためにも表示されている摂取量を守るようにしましょう。摂れば摂るほど良いというものではありません。間違って利用すれば競技力を低下させることもあります。以上の点に注意しながら上手に付き合っていきましょう。